Monday, February 22, 2010

<こわれたバイオリン>

ロンドンの有名な四重奏団のメンバーだったピーター・クロッパーが、フィンランドの有名な音楽祭に招かれました。それを聞いた英国王立音楽アカデミーは、クロッパーに258年前のストラディバリウスを貸し出すことにしました。このバイオリンが非常に貴重なものであるというのは、音楽の素人でさえ知っていることです。

しかし、フィンランドでクロッパーが舞台に上がった時、信じられないことが起こりました。足を踏み外して転んだ拍子に、バイオリンのネックが完全に折れ、バラバラに壊れてしまったのです。

衝撃に包まれたクロッパーに、ロンドンのあるバイオリン職人が、壊れたバイオリンを修理してみると申し出ました。

1ヶ月後、修理が終わったと聞いて訪ねたクロッパーは驚きました。いくら見ても修理した跡を見つけることができなかったからです。さらに驚くべきことに、そのバイオリンは以前よりも美しく強い音が出たのです。それは、壊れた部分を完璧に直すことのできる名工の手にすべてが渡ったからでした。

誰の人生でも、壊れて破片となってしまった部分があります。しかし私達には、「もう遅い」と嘆く前に、人生の名工であるイエス・キリストに私達の人生の破片をゆだねることができるという恵みがあるのです。

「希望は人の間を流れる」/オ・ジョンヒョン

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