Monday, February 22, 2010

<不可能を可能にされる神>

知的障害のある子どもは、弦楽器のレッスンをしたからといって実力がぐんぐんと伸びるわけではありません。でもその時期を耐え忍ぶならば、しっかりと先生の真似をできる時が来ます。しかし親や先生が疲れ果ててしまうと、どうすることもできません。どんなに優れた才能があっても、子どもに楽器を弾きたいという強い思いがないならば、そして親や先生が「もうダメだ」といってあきらめてしまえば、その才能は決して花開くことはありません。特に親が子どもの可能性を信じなければ、実力が伸びることも困難です。

レッスンで指摘された部分を、家で親と根気強く練習した子どもとそうでない子どもの結果は、まさに天と地の差です。「うちの子はいくらやってもダメだと思います。」そのような時、私達は引き止めます。「ここで演奏している子どもたちも、最初から上手だったわけではありません。みんな耐え抜いて、しっかりとがんばっています。子ども一人の力ではなく、お互いに愛し合う力でできるのですから。お母さんが耐え忍ぶならば、子どもは必ず伸びますよ。」しかし、この言葉を信じて従う人は多くありません。

「愛のチェンバー・オーケストラ」の扉を叩く親達が必ず尋ねることがあります。
「どれくらい練習すれば、こちらで演奏されている方のように、音をしっかりと出して演奏できますか。」

私はこう答えます。
「10年を投資してみてください。」

子ども一人に10年を投資してみるのです。その為に、私が少しでも若い時にこの働きをするように、神は導かれたのかもしれないと思っています。

「愛のチェンバー・オーケストラ」/ソン・インギョン

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